マダニはお風呂に入っても死なない?
今年は、早々と梅雨明けをして暑い日が続いています。
当院でも虫刺されで来院する方が増えています。また、マダニによる重症熱性血小板減少症候群を発症した方もでており注意が必要です。
重症熱性血小板減少症候群は、「マダニに刺されることでウイルスが体の中に入り、熱が出たり、だるくなったり、血液中の血小板という成分が減ってしまう、重い病気」です。
外仕事をする際は、長袖長ズボンで行い、帰宅後は入浴しましょうと言われますが一つ注意が必要です。
タイトルにあるように、残念ながら、マダニはシャワーを浴びたり、お風呂に入ったりしただけでは死にませんし、洗い流すことも難しいです。
マダニは非常に頑丈で、水の中でもしばらく生きていることができます。また、皮膚にしっかりと口器を刺し込んで吸血しているため、シャワーの水圧や石鹸で簡単に剥がれることもありません。
もしマダニに刺されているのを見つけたら、ご自身で無理に引き抜こうとしないでください。
無理に引き抜こうとすると、マダニの口器が皮膚の中に残って炎症を起こしたり、マダニが持っている病原体を体の中に注入してしまったりする危険性があります。
お風呂は「発見」のチャンス!
お風呂に入ると、体の隅々までチェックできるため、マダニが付着しているのを発見する良い機会になります。
特に、以下の場所はマダニが隠れやすいので、入浴中に注意深く確認してみてください。
- 首筋
- 耳の後ろ
- わきの下
- 足の付け根
- 膝の裏
- 髪の毛の中
マダニは数ミリ程度の大きさですが、吸血すると数ミリから1センチくらいに膨れ上がることもあります。お風呂で体を洗う際に、普段と違う「黒いホクロのようなもの」や「小さなイボ」のように見えるものがないか、触って確認してみましょう。
お風呂はマダニを洗い流すことはできませんが、早期発見には非常に役立ちます。もしマダニを見つけたら、慌てずに医療機関を受診するようにしてください。